2024/07/01 21:45

偏った考え方で反感をかうかもですが、

ネックの強度や弦振動のバランスが音質より大切かなと感じています。

むしろトーンは他の箇所でデザインする感覚です。


毎週のようにスタジオやライヴハウスで演奏をしていた経験から、

安定した楽器と出会い、ストレスなく表現に没頭できる相方が必要だと思い至り

そう考えるようになりました。


指板の下に仕込む強固なトラスロッドや、カーボンファイバーの角棒が代表的な手法です。




ネック材がブリッジ下部までズドンと伸びるセットネック。

この構造をとても重視しています。


スルーネックほどネック材の個性に支配されることもなく、

弦振動をしっかりボディへ伝達できます。




ネックが必要以上に振動してしまうのは

弦振動がもたつき、ボディへ伝達しきれていないとも言えます。


 


とくに多弦ギターでは、ボディーとネックのジョイント位置に配慮が必要です。

7弦や8弦をクリアーに発音させる為です。


この子は7弦側が12フレットで接着されています。

ネックの揺れをボディーで抑える効果があり、幅広のネックは重く 更に揺れづらくなります。


ネックの7弦側とボディとの接着面を増やし

ネックに弦振動を吸収されすぎず、ボディーへの伝達を促します。


音質的にはビンテージを代表とするエレキギターらしさからは遠ざかり、

モダンでピアノやハープのよう濁りのない響きに傾きます。


逆に1弦やハイポジションは柔らかく膨よかさが欲しい。

そこはマルチスケールで弦長を短くしたり、部分的なボディーの空洞化に頼ることにしています。