2023/12/10 20:15
偏った考え方で反感をかうかもですが、
ネックの強度や弦振動のバランスが音質より大切かな…と感じています。
むしろトーンは他の箇所でデザインする感覚です。
毎週のようにスタジオやライヴハウスで演奏をしていた経験から、
安定した楽器と出会い、ストレスなく表現に没頭できる相方が必要だと思い至り
そう考えるようになりました。
指板の下に仕込む強固なトラスロッドや、カーボンファイバーの角棒が代表的な手法です。


ネック材がブリッジ下部までズドンと伸びるセットネック。
この構造をとても重視しています。
スルーネックほどネック材の個性に支配されることもなく、
弦振動をしっかりボディへ伝達できます。


ネックが必要以上に振動してしまうのは
弦振動がもたつき、ボディへ伝達しきれていないとも言えます。
とくに多弦ギターでは、ボディーとネックのジョイント位置に配慮が必要です。
7弦や8弦をクリアーに発音させる為です。
この子は7弦側が13フレット、1弦側が20フレットで接着されています。
ネックの揺れをボディーで抑える効果があり、幅広のネックは重く 更に揺れづらくなります。
ネックの7弦側とボディとの接着面を増やし
ネックに弦振動を吸収されすぎず、ボディーへの伝達を促します。
音質的にはビンテージを代表とするエレキギターらしさからは遠ざかり、
モダンでピアノやハープのよう濁りのない響きに傾きます。
逆に1弦やハイポジションは柔らかく膨よかさが欲しい。
そこはマルチスケールで弦長を短くしたり、部分的なボディーの空洞化に頼ることにしています。