2023/06/04 19:30

弦の振動をアクティブ回路が扱いやすいよう整えました。
ピッキングされた弦の振動は楽器全体に行き渡り、
その楽器特有の振動に変化し、再び弦を揺らします。
その振動をPUが信号化し、電装系に流し込みます。

電気信号に変換される前に、弦振動を狙ったトーンに
しかも各弦・各ポジションでバランス良く鳴るように振動を整える必要があります!



仮に「10」という力でピッキングしたとすると、再び弦に戻ってくる力は「10」よりも少なくなっているはずです。
どうしても木材やパーツ類に振動を持っていかれる部分はあります。
出音に不満がないなら問題ありませんが
無駄に鳴っている箇所や、振動がもたついている箇所があり、
鳴らす弦やポジションによって音がこもる・つまる等、
バランスの悪さやデッドポジションがあるのは困ります。



ネックのジョイント方法は、
アタックとサスティーンのバランスを作るのにとても重要だと思います。

僕が求めるトーンはアタックとサスティーンの偏りがないバランスの良いもの。
それにはディープセットネックというジョイントが必要です。

ネック材がブリッジの下まで伸びているが、
スルーネックほどネック材にトーンを支配されない方法です!



振動は硬いモノから柔らかいモノへ
重いモノから軽いモノへと伝わりやすく、
逆は振動を減衰させてしまいます。
弦の振動は弱まり、弱まった振動をPUが拾います。

これは音質の話ではなく、単純に振動だけの話!
アコースティックな鳴りや 枯れたトーンが必要なら、
弦振動を失ってでも 柔らかく膨よかな木材が必要です。

しかし6弦全ての弦をバランス良く綺麗に響かせたいなら、
低域をボディに吸収されるのは出音のバランスを崩す結果になります。
ボディ材に適度な硬さが必要な理由です。

そこで今回は、ボディー材にウォルナットを選びました!
数値的にはネックやボディートップのハードメイプルよりもやや軽い
ホワイトアッシュと同程度の比重のようです。



ヘッドピースとブリッジにはABMシングルブリッジを採用。
ベルブラスの塊から削り出したこのパーツは、
弦の振動をロスすることなくしっかり循環させることができます!



こうしてアタックとサスティーンのバランスの良い、軸のあるクリアーな
アクティブ回路が扱いやすい振動が出来上がります!