2022/12/30 12:00

今回は〝多弦ベースでのアクティブ回路〟を活かす為の構造だと考えデザインしました。


まずはマルチスケールの選択です。
6弦側で30インチ、1弦側で26インチ。

これ以上のファンドフレットは、
楽器として破綻してしまう恐れがある。

弦のゲージに気を使うのも設計のうちだ。
120・095・075・055・040・028
を選んだ。

あくまでも計算上の数値ですが、
これで各弦にかかるテンションは約10Kg前後になる計算だ!


次に、弦の振動をアクティブ回路が扱いやすいよう整える必要がある。

ピッキングした弦の振動がボディーを揺らし、
ボディー材で整えられた振動で再び弦を鳴らす。
その振動をPUが拾いアクティブ回路に流し込むわけだ!

この流れに必要なのは、
まずネックとボディーの接着面積を増やすこと。

ネックのジョイント方法は、
アタックとサスティーンのバランスを作るのにとても重要だと思う。

僕が求めるトーンはディープセットネックというジョイントが必要で、
ネック材がブリッジの下まで伸びているが
スルーネックほどネック材に支配されない方法だ。

振動は硬いモノから柔らかいモノへ、
重いモノから軽いモノへと伝わりやすい。

逆は振動を減衰させてしまいます。
弦の振動は弱まり、弱まった振動をPUが拾います。

これは音質の話ではなく、単純に振動だけの話!
アコースティックな鳴りや 枯れたトーンが必要なら、
弦振動を失ってでも 柔らかく膨よかな木材が必要です。

しかし6弦全ての弦をバランス良く綺麗に響かせたいなら、
低域をボディに吸収されるのは出音のバランスを崩す結果になる。
ボディ材にも適度な硬さが必要だ。

そこで今回は、ボディー材にゼブラウッドを選んだ!
数値的にはネックやボディートップのハードメイプルと同程度の比重のようだ。

ブリッジにはABMシングルブリッジを採用。
ベルブラスの塊から削り出したこのパーツは、
弦の振動をしっかり循環させている!


こうしてバランスの良い、軸のあるクリアーな
アクティブ回路が扱いやすい振動が出来上がる!