2022/12/15 21:00
このテレビCMを覚えていらっしゃる方は、
恐らくナイスミドルより上の世代!
あの大木がこの子のボディーバック材〝モンキーポッド〟です!
楽器としてはあまり見かけないこの木材、
僕も加工するのは初めてです。
良い材だと思います!
軸のある枯れたトーン。
柔らかさには欠けるかもしれませんが、
その分、モヤッとする成分がなく音抜けも良好です!
フェンダースタイルの楽器にもっと取り入れられても良いはず…と思いました。
そんなモンキーポッドをホローボディーに、
指板からブリッジまでを除き、ゴッソリと削り取りました!
アンプを通しては勿論、生音でも楽しめるギターになりました!
指板材はインディアンローズウッド。
他の指板材よりも音の重心が下がり落ち着きがあるのが魅力です!
指板表面にRはついておらず、
クラッシックギターを彷彿とさせる完全なる平面!
ボディートップはアーチ加工を施されたハードメイプル。
ホロー部分は裏側からも薄いアーチ状に加工されています。
これはホロー空間の大きさを稼ぐ狙いと、
トップ材をより振動しやすくする為です。
弦の振動が複雑にあいまって豊かなトーンとなり、
楽器中から飛び出してきます!
また、見る角度によって変化を見せる
木目の美しさを愛でていただきたく、
オイルフィニッシュにて仕上げてあります!
トラスロッドは装備していません。
指板の下にカーボンファイバー製の角棒を仕込み、強度を確保しています。
こうした構造を可能にしたのは、
楽器が完成した後の、木材の狂いにくさにあります。
量産工場では1週間で完成させてしまう木工作業を、
工程毎に放置期間を設け、
木材の狂いを出し切ってから次の工程に進めています。
こうして季節に変わり目や、
低気圧の動きにも影響を受けない楽器は出来上がります!